「良い金利上昇」と「悪い金利上昇」
水は高い所から低い所へ向かって流れますが、お金は高い所に向かって流れます。
投資マネーは、より金利の高い通貨、利回りの高い商品に向かいます。
「良い金利上昇」
「良い金利上昇」とは、その国の景気拡大期待が高く、金利先高観が高まっている状態です。
こういうときは、その国の株や通貨に投資マネーが集まるので「通貨高」、「株高」がすすみます。 株式など、リスクが高い資産に、債券などの安全資産から資金がシフトするので、「債権安」となり、金利には 上昇圧力がかかります。
「悪い金利上昇」
悪い金利上昇の代表例は、国債の信用力が著しく低下している状況です。
国家が破たんするかもしれない、というリスクが高まった場合は、当然その国が 借金するために発行している国債が暴落し、金利は急騰します。国が破たんするリスクが高まっているときには、 当然景気も悪化しているでしょうし、金融機関の経営も悪化しているはずですから、株安が進みます。 またその国に投資している投資家が皆、海外に逃げてしまうので、通貨も下落します。
このように、国外に資本が逃げ出してしまう状態のことを「キャピタルフライト」と呼びますが、 そうなった場合には、「通貨安」、「株安」、「債権安」のトリプル安となり、いくら金利が上昇していても、 通貨は売られてしまいます。